穏やかな日常の中で、ずっと胸の奥に仕舞い込んできた過去を少しずつ整理しようと思います。この記事は、かつての私と同じように、毒親や父親の支配・モラハラに苦しんでいる方、家族のせいで人生が狂ってしまったと感じている方へ届くことを願って書いています。「自分だけじゃないんだ」と、少しでも心が軽くなるきっかけになれば幸いです。
祖父母の異様な執着が生んだ、父という「怪物」の背景
私の父は、一人っ子として育ちました。 父の父親(私にとっての祖父)には身体的なハンディキャップがあり、強いコンプレックスを抱えていたようです。そのためか、祖父母は「自分たちも家族も、世間にバカにされてはいけない」と、異様なほど強い執着を持って生きていたと聞きます。
「うちの家はこんなにスゴイんだ、立派で最高なんだ!」
「自分たちの家以外は、みんなバカだ」
祖父母が常々そう言って父を育ててきたことが、これまでの父の言動の端々から伝わってきます。 また、その教育は想像を絶するほど厳しかったらしく、成績への執着はもちろん、祖父がキレた時の恐怖は凄まじいものだったそうです。母から聞いた話では、「火鉢に刺さっている火箸を投げつけられ、1本目が飛んできた後、2本目が飛んでくると(もう投げられるものがなくて)ようやく安心した」という、信じられないエピソードもあるほどです。
祖母がどんな母親だったのか、その本質は分かりません。ただ、私の母や、私たち孫に対しても、とても意地悪な人だった記憶が残っています。
このような特殊な家庭環境の中、きょうだいもいないたった一人の空間で、「普通の家庭」を知らずに育った父。まともな人格形成ができなかったのも、ある意味では仕方のないことだったのかもしれません。脳や心の発達が正常に促されなかったのだとしたら、一人の人間としては本当にかわいそうなことだと感じます。
しかしその結果、父は「自分さえよければいい」「自分の言うことを聞かない者は攻撃し、排除する」「すべて自分に都合よく解釈する」という、極端に自己中心的な人間になってしまいました。76歳になった今でも、自分の生き方に微塵の疑問も抱いていない姿は、ある種の恐ろしささえ感じます。
私を含め家族はみんな、一般常識や正論でまともに話し合おうとしても、激しい怒鳴り声や暴力、存在そのものを否定されるような暴言に怯え、ただ黙って従う道を選ばざるを得ませんでした。その私たちの我慢が、父をますます「帝王」として君臨させてしまったのだと思います。
夫への激しいパワハラ、そして理不尽な「念書」と県外追放
そんな父の支配は、私の結婚生活にも暗い影を落とすことになります。
主人は結婚を機に、父が経営する会社に入社してくれました。しかし、父と近い距離で仕事をすることになった主人は、年中、激しいパワハラ・モラハラに晒されることになります。「娘婿だから、少々のことで辞めるわけがない」という、父の甘えや侮りもあったはずです。
売上が未達の際の執拗な責任追及、人格を否定するような暴言、さらには主人の両親を罵ることまで日常茶飯事でした。業務時間外や休日の呼び出しも容赦なく続き、主人はどんどん精神的に追い詰められ、病んでいきました。
何度も何度も夫婦で話し合い、主人を守るために、私たちは退職という最善の選択をしたつもりでした。
しかし、父に退職を申し出たとき——返ってきたのは、言葉では表現しきれないほどの激昂でした。 主人と私は床に正座させられ、長時間のあいだ怒鳴り散らされました。そして主人は「二度とこの家の敷居を跨ぐな、自宅から出ていけ」と言い放たれたのです(当時、私の自宅は実家から歩いて30秒ほどの場所にあります)。
さらに、会社からは一枚の「念書」を書かされました。その内容は、理不尽極まりないものでした。
・県内の会社には就職しません
・同業種の会社に就職しません
事実上の「県外追放」「業界追放」です。 「そんな権限、一体誰が持っているというんだろう?」 胸の中は疑問と激しい怒りでいっぱいでした。「会社を辞めた後の生き方まで指示されるなんて、絶対におかしい!」と叫びたかった。けれど、父の恐怖に支配された母もきょうだいも、誰も何も言えずに下を向いているだけでした。
公的な機関や弁護士への相談も頭をよぎりましたが、「もし相談したことが父に知られたら、どんな報復をされるか分からない」という恐怖が勝ち、とても行動には移せませんでした。
結局、私たちは父の指示に従うしかありませんでした。主人は県外の実家に戻って次の就職先を探すことになり、ここから私たちの完全別居がスタートしたのです。そしてそれは、皮肉にも離婚への道へと繋がっていきました。
独りぼっちの夜に
今でもそう自問自答することがあります。父の仕打ちが離婚の大きなきっかけになったことは間違いありません。ただ、当時の私自身にも至らない点や原因はあったと受け止め、反省して前に進まなければいけない、と言い聞かせています。
それでも、ふとした瞬間に寂しさが押し寄せます。 兄も妹も、それぞれのパートナーと家族そろって、当たり前のように毎日を共に暮らしている。それなのに、「どうして私だけが引き裂かれ、今こうして独りぼっちなんだろう」と、悲しくて涙が止まらなくなる夜もあります。
そんな時は、静かに自分自身の肩を抱きしめて、「よく頑張ってきたね」と労ってあげることにしています。
次回と、読んでくださっている方へ
次回は、こうした父との関係が、私自身の性格や人生にどのような影響を与えてきたのか、もう少し深く掘り下げて書いてみようと思います。
いま、同じように複雑な家庭環境や支配に苦しんでいる方、過去の傷が癒えない方に、「自分だけじゃないんだ」と少しでも気持ちを分かち合っていただけたら嬉しいです。
(※最後に、私が心の整理をする上で参考になった本をいくつかご紹介しますね。)
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この記事はわたし自身の実体験をもとに書いています。